冨嶽三十六景①〜葛飾北斎〜
世界で一番有名な日本芸術家。
葛飾北斎(1760〜1849)は、江戸時代後期の浮世絵師です。
北斎さんは世界で大人気で、1998年に米国「ライフ」誌が企画した
「1000年間に偉大な業績をあげた世界の人物100人」では、
な、なんと、
86位!
順位ビミョー。。。と思う方がいるかもしれませんが、日本人ではただ一人の
ランクインなんです。しかも1000年の間にどれだけの偉人さんがいたことか。
その中で100人のうちの一人に選ばれるなんて、
どんだけ凄いんだ北斎さん!!
代表作は46枚ある『冨嶽三十六景』。
初版は1823 ( 文政6 ) 年頃から制作が始まり、1831年頃から1835年頃にかけて完結した作品です。
冨嶽=富士山
三十六景=36の景色
元々は富士山を36箇所の色々な場所から色々な角度で描いてみよう!
という作品なんです。
でも人気が出すぎて10枚増えちゃった。
なので、46枚あるけど『冨嶽三十六景』なんですね。
ちなみに追加の10枚は「裏富士」と呼ばれます。
「神奈川沖浪裏」。
芸術に興味がない方でも一度は目にしたことがあるはず
「神奈川沖浪裏・かながわおきなみうら」
見てるだけで酔いそう。。。
富士山の周りは黒く怪しい雲行き。
掴みかかりそうな波の表現、水しぶきと共に水夫たちに襲いかかります。
水夫たちはがっちり船に掴まってますね。
美しい藍色と白の爽やかさが、自然の恐ろしさだけでなく美しさも表現されています。
大波の躍動感溢れる動きと雪をかぶった富士山の静観している様子。
この「動と静」が人々を魅了し続けているのでしょう。
『凱風快晴』。
「凱風快晴・がいふうかいせい」
凱風=夏に吹く柔らかな南風の意。
空には青空に鰯雲が広がり、富士が夏の太陽の光によって赤く染まっています。
裾野には深緑の樹海が広がっています。
青と白と赤と緑。夏らしい風を感じられる色彩豊かな作品です。
もっと富士山が赤く刷られている作品もあり、早朝の自然現象をとらえた
「赤富士」とも呼ばれています。
『山下白雨』。
「山下白雨・さんかはくう」
白雨=夕立
「凱風快晴」と「山下白雨」は、晴れと雨、
「凱風」より「白雨」は山頂がやや細くなっていて険しい裏富士の表現。
構図ほぼ一緒。
どう見ても二つの作品は対。
あ、てことは、「白雨」が夕立で夕方だから、「凱風」が朝って推測がされるのかー。
なるほど。
右下の稲妻の表現がカッコイイ。
『深橋万年橋下』。
「深橋万年橋下・ふかがわまんねんばしした」
多くの人が行きかう、美しい曲線の橋。
その下から覗く富士山。
静かな水面に浮かぶ小船。
静けさの中にも人々の息遣いが聞こえてきそうです。
すんごい場所で釣りしてますね。
深川では洪水のときに流されることのないように、両岸から石垣を積み、橋を高く架けて非常の際に備えた橋が作られていました。
その中でも最も高い橋は、中川と隅田川に通じる運河、小名木川(おなぎがわ)の橋で、ここに描かれる万年橋はその一つむこう側の隅田河口に架けられた橋でした。
股の間から見るような視点の構図。北斎もそうやって見たのかな。。。
『青山圓座松』。
「青山円座松・あおやまえんざのまつ」
「今日も富士がきれいだ♪ 酒が呑めるぞ♪」
富士を眺めながら酒を酌み交わす人々。楽しそうです。
この作品の円座の松は、笠松とも通称された奇樹で、「江戸名所図会」によると「枝のわたり三間あまりあり」という見事さだったそうです。
しゅっ!と八の字に糸を引いたような富士山とこんもりとした笠松の輪郭。
このように、形態の相似を意外なモチーフで対比して表現する方法は、北斎が好んで使う手法でした。
北斎の遊び心がもうひとつ。
*画面左下をごらんください。*
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足ーっ!!Σ(゚д゚;)
落ちた松の葉を 掃除してる人が描かれて、気づいたとき一瞬ドキッとします(;´▽`A``
に続く。